年金制度改正で広がる「特定適用事業所」とは?

2024年10月から、厚生年金の適用範囲が拡大し、
社員数50人超の企業も「特定適用事業所」として段階的に指定されるようになりました。
これまでは被保険者数が100人を超える企業が対象でしたが、
年金制度の機能強化のため、適用企業の基準が引き下げられました。

特定適用事業所とは?
「特定適用事業所」とは、年金の加入対象を広げるために定められた企業区分です。
今回の改正では、令和5年10月から令和6年7月までの各月のうち、
6カ月以上の期間で被保険者数が50人を超える事業所が対象となります。
この基準を満たす事業所には、日本年金機構から「特定適用事業所該当のお知らせ」が送付され、
その後も同様の基準を満たした場合には正式に「特定適用事業所該当通知書」が通知されます。

改正の背景と本質
この改正の背景には、少子高齢化による年金財政の逼迫や、
非正規雇用者の増加に伴い年金未加入者が増加している現状があります。
多様な働き方が進む中、短時間労働者や非正規雇用の方々も年金制度に組み入れることで、
広く支え合う仕組みを目指しています。年金制度の支え手を増やし、老後の安心を提供することが目的です。

一方で、年金は「将来のための制度」だと言われますが、制度そのものが健全な形で維持できる保証はありません。
現行の年金制度は長年の少子高齢化によって支え手が少なく、支給額の減少や受給年齢の引き上げなど、
将来的な変更も現実的な問題として考えられています。
この状況で新たな負担を強いることは、本当に公平と言えるのでしょうか。

厚生年金への加入が義務化されることにより、将来の受給額が増える一方、今の手取りは減少します。
このような制度の「改正」が、真に国民のための改善策なのかを考え直す必要があります。
私たちに求められるのは、現行制度に無批判に従うのではなく、
その仕組みを見直し、本当に必要な改革が何かを理解することではないでしょうか。

年金制度に対する姿勢を一人ひとりが見直すことが、未来の選択肢を広げる第一歩になるかもしれません。

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