介護事業の実態

厚生労働省が11月16日に報告した「令和5年度介護事業経営実態調査」の結果によると、
全介護サービスの平均収支差率が2.4%となり、前年調査より0.4ポイント低下しています。
特に注目すべきは、介護老人福祉施設(特養)と介護老人保健施設(老健)の収支差率が
制度開始以来、初めてマイナスに転じたことです。

施設サービスの厳しい現状

特養と老健の収支差率が▲1.0%(前年比▲2.2%)および▲1.1%(同▲2.6%)となり、これが初のマイナス。人件費や光熱水費の高騰が影響しており、施設経営が厳しい状況にあることが浮き彫りになりました。

居宅サービスの増加

一方、居宅サービスでは、訪問介護の収支差率が7.8%(前年比+2.0%)、通所介護も1.5%(前年比+0.8%)と増加傾向にあります。ただし、これらのサービスは小規模な事業所も多く、増加額は訪問介護で月約6万円、通所介護で月約4万円にとどまります。

課題と今後の展望

この結果から、介護事業全体での厳しい経営状況と、特に施設サービスでの課題が浮かび上がっています。
今後は、高齢化社会における介護サービスの充実と質の向上を図るために、
経営課題の解決が急務となっています。

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