フリーランス法、6割が「知らない」。──そもそも、守られる気配がない

フリーランス保護をうたって華々しく施行された「フリーランス法」。
だが、当のフリーランスの6割がその中身を理解していない、あるいはそもそも知らないという。
連合が10月に公表した調査結果は、制度の“形だけ感”をはっきり示した。

この法律は、フリーランスが不利な立場に置かれないよう、
発注者に契約書面の交付や報酬の60日以内支払いなどを義務づけるものだった。
だが、法施行後も「期日までに報酬が支払われない」「契約条件を一方的に変えられる」といった、
古典的なトラブルが依然として多数起きている。改善していないと答えた人は過半数を超えた。

これは何を意味するのか。
単純だ。法律ができても、現場では何も変わっていないということだ。

フリーランスの多くは、立場の弱さゆえに、理不尽を飲み込みやすい。
発注者に逆らえば、次の仕事は来ない。
だから、違法かどうかなど考える余裕すらない。
そもそも法の内容が知られていない以上、違法を違法と認識できない。

1,000人のフリーランスが答えた今回の調査は、華麗な制度の裏側にある“現実”を浮かび上がらせる。
法は“ある”。しかし、“効いていない”。

結局、必要なのは立派な条文ではなく、
フリーランス自身が情報を持ち、声を上げられる環境だ。
知らないままでは、搾取の構造は壊れない。

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