就活でのセクハラ被害
厚生労働省の最新調査によれば、過去3年間に就職活動をした人の
約3割がセクシュアルハラスメント(セクハラ)を受けた経験があることが明らかになりました。
(5月17日に厚生労働省が公表した、令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査結果による)
現代の就職活動における重大な問題を浮き彫りにしています。
インターンシップ中のセクハラ被害
調査によると、インターンシップ中にセクハラを受けた人は30.1%にのぼります。
インターンシップは学生にとって将来のキャリアを考える重要な機会であるにもかかわらず、
その貴重な時間がセクハラによって台無しにされている現状は深刻です。
一般の就職活動中のセクハラ被害
さらに、インターンシップ以外の就職活動中にセクハラを受けた人は31.9%でした。
就職活動は人生の大きな転機であり、ここでもセクハラが問題となっていることは看過できません。
行為者の内訳
セクハラを行ったのは、インターン先で知り合った従業員が最も多く、
全体の47.4%を占めています。また、学校のOB・OG訪問を通じて知り合った
従業員によるものが38.3%でした。職場の内部だけでなく、
就職活動のあらゆる場面でセクハラが蔓延していることを示しています。
セクハラが無くならない理由は複合的です。
権力構造の問題
企業や組織内の権力構造がセクハラの温床となっています。
上司や先輩が力関係を利用し、弱い立場の人に対して不適切な行動を取ることが多いように思います。
この権力構造を変えるためには、組織全体で透明性と公正性を高める取り組みが必要です。
報告制度の欠陥
被害者がセクハラを報告する際に、匿名性が確保されなかったり、
報告後に不利益を被る恐れがあるため、声を上げにくい状況が続いています。
企業は、従業員が安心してセクハラを報告できる制度を整える必要があります。
具体的には、第三者機関を設置し、公正な調査と対処を行うことなどが求められます。
教育と意識改革の不足
セクハラに対する認識が低いことも問題です。多くの人がセクハラの深刻さを理解しておらず、
不適切な行動を軽視する傾向があります。企業や教育機関は、セクハラに対する教育と意識改革を
強化する必要があります。定期的な研修やワークショップを通じて、セクハラの認識を高める取り組みが
重要です。
被害者支援の欠如
被害者が適切な支援を受けられない状況もセクハラが無くならない要因の一つです。
被害者が安心して相談できる窓口の設置や、心理的サポート、法的支援を提供することが必要です。
現代社会は、多様性と包括性を重視する方向に進んでいますが、
今回の調査結果は、まだまだ多くの課題が残っていることを示しています。
セクハラ根絶に向けて、企業、教育機関、そして社会全体が真剣に取り組むことが求められています。