増え続ける在留外国人、日本が直面する現実とは

在留外国人が過去最高の395万6,619人。
出入国在留管理庁が10月に公表。
この報告書の裏にあるのは「社会の代役交代」である。
出身国トップは中国(90万738人)、次いでベトナム、韓国。だが重要なのは国名ではない
——その多くが“働き手”として現場に投げ込まれていることだ。

永住者が93万2,090人と最も多いのは想定内だが、注目すべきは「増えている在留資格」だ。
技術・人文知識・国際業務(45万8,109人)、留学(43万5,203人)、特定技能(33万6,196人)。

技能実習(44万9,432人)は縮小傾向にあるとはいえ、
数だけを見れば依然として巨大な労働力プールだ。
この配置は計画的か、倫理的か——否、どちらでもない。
現場の穴を埋めるために制度が便宜的に使われてきただけだ。

ここで直球の問いを投げる。

なぜ日本に来るのか。

答えは単純だ。“国内で満たせない仕事”があるからだ。
コンビニ、介護、建設、農業、工場――誰もやりたがらない、あるいは需要に追いつかない仕事が残る。
そこへ安定的に人員を補填するため、在留資格が“供給路”として機能している。
政策も企業も、「人を受け入れる」ことの重さを考えてこなかった。

もっと刺すと、問題は責任の所在だ。
社会保険や労働条件の問題が頻出するが、単純に「外国人が払っていない」のではない。
企業側の未加入や違法な働かせ方が温床になっている。
制度の不備と監督の甘さが、安価な労働力を求める経済的誘惑と結びつき、
現場でのルール無視を容認してきた。
これが表に出ると「外国人がズルをしている」という誤解に転化するが、本質は違法な需要側の構造だ。

さらに深刻なのは、受け入れ側の準備不足だ。
言語・住居・医療・労働環境――どれも“来てもらって終わり”になっている。
留学生は勉強よりアルバイトで生計をつなぎ、特定技能は短期的に現場を支えるだけ。
彼らに長期的なキャリアや生活の安全網を提供できないまま使い捨てにしているのが現状だ。

このまま放置すればどうなるか。

第一に、労働市場の歪みが加速する。
低賃金で回る産業は賃上げの圧力を受けず、日本人の雇用条件は改善されない。

第二に、社会の分断だ。
地域や職場で「外国人」と「日本人」の不満が交錯し、排外主義的な空気が醸成される。

第三に、制度疲労だ。
技能実習の縮小や在留資格の拡張が場当たり的に続けば、次の“穴”が必ず生まれる。

結論は痛烈だ。

396万人近い在留外国人は、政府の戦略でも企業の深謀遠慮でもない。
労働力の確保をめぐる戦略不在が、現状を形作っている。

人口減少の数字を眺め、給料を上げず、働き手の待遇改善を先延ばしにしてきた代償が、
今ここに表れている。
責任を取る主体(政策、企業、市民社会)が動かなければ、この状況はさらに悪化する。

最後に問う。

私たちは、この「代役交代」を誇るつもりか。
それとも、制度を正し、誰もが誇れる労働と生活の条件をつくるのか。
言葉を濁さずに決断しなければ、数字はただ増えていくだけだ。

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