テレワークは「もういらない」のか?— 実施率14.6%の意味

「テレワークの実施率が14.6%と過去最低を更新した」
こんなニュースを見て、皆さんはどう思うだろうか。
テレワークはコロナ禍で一気に広がり、一時は「新しい働き方のスタンダード」とまで言われた。
しかし、今やその実施率は右肩下がり。
もはや世の中は「テレワークなんていらない」という流れなのだろうか?

これは、日本生産性本部が2025年1月に実施した「働く人の意識調査」に基づくものだ。
同調査によると、テレワーク実施率は14.6%と、2020年の調査開始以来の最低値を記録。
特に30代(17.3%、前年23.3%)や40代以上(13.4%、前年14.8%)の実施率が減少しており、
唯一20代だけが16.5%(前年14.3%)と微増した。
また、テレワークの大多数を占める自宅勤務について「実施したくない」と答えた人は63.1%で、
「希望する」36.9%を大きく上回った。

●テレワークが減る理由
実施率が減っているのは確かだが、「やりたくない人が増えている」ことも見逃せない。
今回の調査では、自宅勤務を「したくない」と答えた人が63.1%。これが現実だ。

では、なぜテレワークは敬遠されるのか。主な理由は以下の3つだろう。

1:コミュニケーションの問題
オンライン会議では微妙なニュアンスが伝わりにくく、雑談の機会も激減する。
特に若手や新入社員にとっては「相談しづらい」「上司や同僚との関係が築きにくい」
といったデメリットが大きい。

2:働きすぎのリスク
通勤がなくなるのはメリットだが、その分「仕事とプライベートの境目が曖昧になる」
「終業時間を過ぎてもダラダラ仕事を続けてしまう」といった問題が生じる。
実際、「テレワークの方が疲れる」と感じる人は少なくない。

3:会社側の意向
企業としても「やはり出社してほしい」というのが本音だろう。
経営層は「社員がきちんと働いているか不安」、管理職は「部下の業務が把握しづらい」
と考えている。結局、「みんな会社にいたほうが安心」という発想が根強く残っているのだ。

●「もういらない」のか、それとも進化が必要なのか
この流れを見ると、テレワークは「一時的な流行」で終わるのかと思えてしまう。
しかし、単純に「もう必要ない」と切り捨てるのは短絡的だ。
むしろ「どうすればもっと活用できるのか」を考える時期に来ているのではないか。

例えば、「完全テレワーク」か「完全出社」かの二者択一ではなく、
ハイブリッド型の働き方をどう機能させるか。
また、オンラインでも円滑なコミュニケーションが取れる仕組みをどう作るか。
こうした工夫がなければ、テレワークはただの「やりづらい働き方」で終わってしまう。

テレワークは本当に「もういらない」のか?
それとも、今のままではダメだから、新しい形を模索するべきなのか?
今の数字は、私たちにそう問いかけているのかもしれません。

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