出生率と合計特殊出生率
令和4年の人口動態統計月報年計(厚生労働省が6月2日に公表)によると、
出生数が前年比で約4万人減少して77万747人、出生率は6.3で過去最少を更新しました。
この減少は、出生率が低下していることを示しており、
日本の出生率の低迷が続いていることが分かります。
合計特殊出生率も同様に前年比で0.05ポイント減少して1.26となり、こちらも過去最低の水準です。
ちなみに、出生率と合計特殊出生率の違いは…
●出生率
ある特定の期間(通常は1年間)における新しく生まれた赤ちゃんの数を、
特定の人口(通常は1,000人)あたりで示したものです。
つまり、特定の人口規模に対して、どれだけの赤ちゃんが生まれているかを示す割合の指標です。
出生率は通常、人口動態や少子化・多子化の状況を把握するために使われます。
例えば、出生率が10%の場合、
1年間に1,000人の人口に対して10人の赤ちゃんが生まれていることを意味します。
●合計特殊出生率
1人の女性が一生の間に生むと予想される子供の数を示す指標です。
これは、出生率と異なり、1年間の特定の期間だけでなく、
女性の出生から死亡までの全生涯を通じて考慮されます。
合計特殊出生率は、特に少子化の状況を把握するために重要で、
1.0未満だと人口減少が起こることを示し、1.0を上回る必要があるとされます。
合計特殊出生率が2.1(あるいは2.1に近い数値)であれば、
少子化による人口減少は防ぐことができるとされています。
例えば、合計特殊出生率が1.5の場合、1人の女性が平均して生涯で約1.5人の子供を持つと予想されます。
出生率は特定の期間における人口に対する新生児の割合を示すのに対し、
合計特殊出生率は1人の女性が一生の間に生むと予想される子供の数を示す指標です。
両者とも少子化や人口動態の理解に重要な役割を果たしています。